日本サッカーに足りないもの

あの敗戦から一夜明けて思うことをつらつらと書きます。
まず2002と比べて弱くなったという意見。これは的外れなものであると言う他ありません。日韓の時は自国開催。気温はそれほどでなくても湿度の高い梅雨時のホーム。まずグラウンドが他の国にとって苦しいものでありました。
続いて組み合わせ。開催国は緩いグループに入るのが通例となっていますが、日本も例外ではありませんでした。明らかに仏時、独時よりも楽なグループだったと言えるでしょう。今回はそういう意味では本当のW杯でした。
では肝心の試合内容ですが、初戦の豪戦。あまりにもヒドイ点の取られ方だったのでそのイメージが強くなってしまいがちですが、勝っていたんです。80分終了時にはリードしていた。この事実は忘れてはなりません。
続いてクロアチア。後半30分過ぎにはもう相手の足が止まっていました。チャンスも作れていたんです。
最後にブラジル。先制しました。非常にきれいなゴールを「ブラジル」から奪ったんですよ?
これらはすべて試合前からジーコ監督をはじめ、構想されていた戦術をそのままて運用できていたことを示します。初戦は先制点をねらい、クロアチアは走らせることによって消耗戦に引きずり込み、ブラジルには引き気味からのカウンター。思うとおりのサッカーをするということができていた、これは非常にすごいことです。
しかし結果はみなさんもご存じの通りでした。明らかにコンディションが最高とは言えない選手が多かった。
これは私は個々人のメンタリティが問題だと感じます。ジーコは最後に日本人に足りないのはプロ意識だということばを残してくれました。これはサッカーに限ったことではありません。グラウンドの外でもです。
自分の体調管理に失敗し、熱を出した中村。シュート練習において外してもニヤニヤ、クロアチア戦後には笑顔でコーラを飲む高原。ベンチに追いやられたことによって腐り、気の合う仲間を集めて中田英を変人扱いし、チームを引き裂いた小野。
他にも例を挙げればキリがないですが、「W杯で代表として戦う」ことの意味を理解していたのは中田英、川口(次点で三都主)だけであったように思われて残念でありません。
豪戦は同点にされた段階でチームとしてちぐはぐに。特に小野はトップ下に張りつき、自分のことしか考えないプレー。
クロアチア戦は気持ちを切り替えることなく、必死さを見せることもなく、後半30分以降を見るとまるでドローでも構わないと思ってるかのような動きでした。そしてブラジル戦では再三言われてきたボールウォッチャーにならないということが守れず、同点にされた時点で覇気をなくしてしまいました。
技術的なものは仕方ないでしょう。柳沢があれを決めきれないのはそれだけの実力しかないということであり、いまさらどうなるものでもないです。しかしメンタリティなんてものはそれこそ気の持ち用でどうにでもなります。
ジーコを批判するのは構いません。実際采配に疑問なところがなかったわけではないです。ですか、いなくなる人に責任を押しつけるだけでは、今後誰が監督になっても同じことでしょう。
中村はめざすサッカーにブラジルを挙げていましたが、私はメキシコだと思います。世界的に有名な選手もおらず、体のサイズもそこまで大きくない。ですがよく組織されたパス回しで泥臭くゴールを狙う。
ブラジルやアルゼンチンをやるのは個人の能力がそこまで高い次元にないため無理です。もちろんそれぞれの能力を高めることも前提で中村は話しているのは承知です。ですが黄金世代でコレ、と考えると、日本人の能力の底が見えてしまった気がします。
次の監督が誰になるかはわかりませんが(オシム?) ここの部分は誰であろうとかわりません。能力で劣る者は、精神力でカバーしなければならない。
中田英が中心となりうるようなチームを作れれば、日本はまたW杯の地を踏めるでしょう。