宇佐美貴史 その2

本来はサクッと終わらせるはずだったのに、2回めです。僅か在籍3年とは言え、ユースからの生え抜きということもあるのか、意外に思い出は残ってたようですなぁ。

さて、プロ2年め(2010シーズン)以降の彼。のことを話す前に、西野監督の器用法について触れておきましょう。
ともすれば若手に厳しい監督として映る西野監督ですが、全くチャンスを与えていないわけではありません。(外から見た感じ)起用に関する基準があり、それに従っている印象です。
1つめにしっかりとした準備を怠らないこと。例えば腐らずきっちり日々の練習をこなすことです。これは高校サッカー経験者と比べ、「甘い」と言われるユース出身者が多く所属するガンバでは、余計に重要視されるのかもしれません。
2つめに自分の長所をしっかり出すこと。西野さんは「ストロングポイント」って言葉をよく使いますが、当然編成に関わる中で各選手に期待を持って起用・獲得する訳です。08年夏の佐々木の例が一番顕著ですが、消極的になった選手には容赦ない。
ガンバ…というか西野サッカーは縦への出し入れが基本になるため、前線の選手であっても組み立てに参加することが求められます。しかしその面で機能しているとは言い難かった平井でも、去年は点を取っていた時期は起用し続けました。(点が取れなくなると外されてます。平井もここが勝負どころです。)

さて、このような監督の元、宇佐美がプロでも通用する(した)のがシュートの質とドリブルです。そのような彼を西野さんは最初、守備や組み立ての負担が比較的軽いトップの位置で使い始めました。やがて2列目にポジションを下げてからも彼には中盤のアクセントを求め、宇佐美もこれに応えていた印象です。
今年序盤に数試合宇佐美が外れていた時期も、組み立て云々ではなくシュートやドリブルといった彼のストロングポイントが見られなかったからでしょう。実は個性を伸ばすタイプの起用をしてると思いますよ、西野さんは。*1


つまりここでハッキリしておきたいのは、シュートやドリブルは一戦級ですが、戦術理解とでも言いますか、ボールを受ける動きや奪う・追い込む動きはまだまだです。足元の技術は高いので時おり目の覚めるようなパスを出しますが、出し手の呼吸が読み取れていないこともしばしば。彼はまだまだそういうレベルの選手です。
バイエルンで仮にチャンスを貰い、少しでもスペースがあれば決めてしまうこともあるでしょうが、個人的にはもう2〜3年はかかるんじゃないかと思います。でも彼のサッカー人生自体が壁との戦いの連続なので、潰れるとかそういう心配はしていませんし、環境の変化により、予想を遥かに上回る成長を遂げる可能性はありますが。*2

草サッカーのチームカラーが赤なので、14番*3のユニフォームを買って、見守りたいと思います。

*1:その前に腐っちゃって2流止まりの選手がいるため、全肯定する気にはなりませんが。

*2:そもそも私は宇佐美がプロに上がって来た時も、通用するには2〜3年はかかると思ってたのでwそしたら2年半でバイエルンに行ってしまったというw

*3:ヨハン・クライフ西野監督が一番好きな選手の一番好きな番号だそうな。宇佐美は8番も選べたらしいが、それを知っていたために敢えて14番を選んだ模様。かわいいヤツめ!