狡猾なオシム

狡猾って何か悪い言葉なヒビキですが、私的には誉め言葉として送りたいと思います。


まず稲本、中田浩の扱い。
オシムが監督に就任し、以降視聴率が取れない、チケットが売れないという状況に陥ったサッカー日本代表。それに対して協会や特にマスコミは危機感を感じ、それまでの「海外組」を担ぎ出そうとします。

あくまでも自分のサッカーをしたがるオシムは、俊輔、高原というリーグで充分に結果を出し、日程的にも都合がついた「海外組」を今年に入ってから召集し、いわゆる「オシム流」の中に組み込んでいきます。
これは私の目には戦力としての召集に見えましたし、実際この二人の活躍でペルー戦は勝利しました。

しかし一方で稲本、中田浩は召集を見送ります。もちろん「海外組」を急に溶け込ますのではなく、私も前に述べた通り次第に融合していく、そのために俊輔、高原を選んだのでしょう。

試合には勝ち、観客動員も六万弱(?うろ覚え)と、興行の面でも成功し、マスコミを黙らせます。


しかし3連覇がかかったアジアカップを前に、再び周囲は騒がしくなってきます。
それに応じるかのようにオシムは先の二人に加え、稲本、中田浩を招集します。
いよいよ海外組との融合を進めるのかと思いましたが、コロンビア戦でのスタメンはそれを否定していました。

中田浩は左SB、稲本は五枚の中盤の一角。

ポジションとしては二人とも、普段通りのものと変わらないように映るかも知れません。

ですが、右SBの駒野が前に行くことによりDFラインを三枚にするなど、即座のシステム変更を求められた中田浩(バーゼルがどうだかはわかりませんが)

カミカゼシステム」として高原の後ろから攻撃参加を求められた稲本。

ポジションはともあれ、明らかにクラブとは違う役割を、対応する時間もままならないままに求められていました。

しかも憲剛、ガチャピン、けーたさんなどの、今までも中核を担ってた選手は外さずに、です。


ここから一つのメッセージを受けとることができるのではないでしょうか。「ほら、海外組を起用したからといって機能はしないでしょう」と。

現にオシムは稲本、中田を前半で下げ、後半、羽生を投入することによって見事に機能させます。


同じことをユーゴ時代(?)にもやってるらしいのですが、これによって周囲を黙らせることに成功したワケです。



いや、見事。ジーコでは考えられない(´∀`)





そもそも今回の大会は(前回どうだったかは知りませんが)準備時間が少ないのです。いきなり海外組を呼べって言われてもそりゃ無理があります。それに例え呼んで結果が出てもそれは目先のニンジンでしかなく、本当に強くなったかは疑問です。
少なくとも私はコンディションによって左右されてしまう、そんなサッカーはもう懲り懲りです。


時間が少ないことに対してオシムが取った皮肉めいた手段が、招集メンバー発表時間です。



PM11:00


ヾ(*´∀`*)ノ



ウケるなぁ、しかし。

理由はリーグ戦終わってから。「怪我があるといけない」ため。


いやぁ、最高じゃないですか。

オシムアジアカップを制覇できない100の理由を挙げることができるとか言ってましたが、確かに協会の不備はあるでしょう。

3年開催になったという背景もあり、いきなり日程を変更するのが難しいことはわかります。

しかし、オーストラリアが現地で合宿を張っているような時に国内でリーグ戦を行っているようでは、ぼやきたくなります。


協会もクラブもマスコミも、もっと団結しないと野球と同じ道を歩みかねない、私はそう思います。


だいたいオシムジャパンの面子は少しJリーグをかじったことがある人ならワクワクするものでしょう。

海外組がいなくなって注目度が下がるのは、それだけJリーグが根付いていないということです。

もっと互いに考えていけば、動員も増え、代表としても強くなり、競技人口を始めとするサッカー熱も高まり(ナショナリズムとの関わりはいつか書きます)クラブにもメリットが出る。

簡単なことじゃないですか。


何がなんだか良くわからんブログですが、今日はこれにて