ジェフ・ウィリアムス
彼は星野仙一が連れてきました。
マイナーリーガーでしたが、左のサイドハンド、それも右足をさらに一塁寄りに踏み込んで投げるので、そのスライダーが内角に来ると、左打者はのけぞり、右打者は空振りしても体に当たる。当時はそんな触れ込みでした。
実際見てみると、ホントにのけ反ってストライク。あ、これは面白い選手を仙さんは連れてきたなと思ったもんです。
ちなみに2003阪神の抑えはウィリアムスでしたが、彼は本来セットアッパーとして期待され、抑えを期待されていたのはポートという選手だったことは、もはや黒歴史ですヾ(oﾟωﾟo)ﾉﾞ
さて、そのポートが例によって例のごとく全く使えんダメ外人だったワケで、正直、ウィリアムスも慣れられるまでかなぁ…｡と思ってました。
しかし彼は違いました。
ストライクゾーンの違いにいち早く順応し、球筋を見切られるようになると今度は球威を磨き、四球がかさむと今度は右足の踏み込みやスライダーの曲がりを抑え、コントロールを磨く。
移籍当初と比べてみればわかると思いますが、彼は日本の野球に慣れようと努力を重ね、自分のスタイルを変化させていきます。
これはなかなかできるものではありません。
やはり日本に来る外人は、ほとんどはメジャーの落ちこぼれという意識で来ます。まぁ実際そうなんでしょうが、そこで自らを日本野球のスタイルに馴染ませようと必死に努力する選手はそこまでいない。心のどこかではメジャーのためのステップ、と考えている選手がほとんどです。
ですから、日本で長くやっていける外国人選手は少なく、またやろうとしない選手が多いのです。
しかし私は、ジェフの姿に彼らとは違うものを感じていました。
優勝した次の2004年、安藤がストッパーだの、調子が良い選手から使うとかいう良くわからん方針だのあって、ごちゃごちゃしますが、夏以降は前述の通り、藤川が上がってくるワケです。
翌2005年。ストッパーに指名された久保田、セットアッパーとしてその地位を確立し始めていた藤川と共に｢JFK｣を結成(結成でいいかな？(｡・ω・)？)２年ぶり、ジェフにとっても二回めの優勝を経験します。
ちなみにこの年SHEも結成されています。桟原、橋本、江草の三人で、同点の試合やロングリリーフ、敗戦処理までこなしていたんですが、これが地味に打たれない。前半でリードされてもこの三人が踏ん張るので、逆転で勝利するということもありました。
で、このSHEはジェフが名付け親だとか。
しかし阪神はロッテに(ボロボロに)敗れ、日本一は逃してしまいます。
以下はジェフの手記です。阪神タイガースの公式ファンクラブサイトからの転載です。
ｼﾞｪﾌ手記
こんな悔しい思いをしたのは生まれて初めてだよ｡たった10球でｼﾘｰｽﾞが終わるなんて｡
せっかくﾘｰｸﾞ優勝したのにこんな形で05年が終わるなんて…｡
薄っぺらいﾊﾟﾝにﾊﾟｰﾅｯﾂﾊﾞﾀｰ｡体が資本なのにﾏｲﾅｰ(ｻﾝﾍﾞﾙﾅﾝﾃﾞｨｰﾉ=ﾄﾞｼﾞｬｰｽ傘下)時代はまともなﾒｼすら食えなかった｡
当時の月給は850ﾄﾞﾙ(約10万円)｡ｸﾞﾗﾌﾞとｽﾊﾟｲｸを買っただけであっという間に一文無しさ｡
でも夢があったから耐え続けた｡ 一線級で活躍できる選手になりたい､ﾜｰﾙﾄﾞﾁｬﾝﾋﾟｵﾝになりたい｡
ﾒｼﾞｬｰとﾏｲﾅｰを行ったり来たり｡そんな僕にﾁｬﾝｽをくれたのが､阪神ﾀｲｶﾞｰｽなんだ｡
当時日本のことで知っていたのは｢ﾌｼﾞﾔﾏ｣で､ﾃﾚﾋﾞで見た｢ｼﾞｬﾝﾎﾞ尾崎｣ぐらい｡でも活躍の場に飢えてたﾎﾞｸは､迷わずそれに飛びついたんだ｡
今まで学んだ野球理論､戦術､科学的ﾄﾚｰﾆﾝｸﾞ…｡でも日本の野球が勝ちたいと願う｢ｷﾓﾁ｣が大事だと教えてくれた｡
今回100%の力を出し切れたとは思っていない｡悔しいけどﾛｯﾃには気持ちで負けた｡
ﾜｰﾙﾄﾞﾁｬﾝﾋﾟｵﾝなんてもういらない｡今のﾎﾞｸにはそれよりもっと大きな夢があるんだ｡それは…ﾆｯﾎﾟﾝｲﾁ!
今ここで､ﾌｧﾝのみんなに宣言したい｡これから先､ﾎﾞｸは何があっても阪神ﾀｲｶﾞｰｽを離れない｡残された野球人生全てをこのﾁｰﾑに捧げたい｡
ｷｭｳｼﾞ､ｸﾎﾞﾀをはじめとするﾁｰﾑの仲間たちと､これからも戦いたい｡ｼﾘｰｽﾞを戦い終えた今､心からそう思っているんだ｡
最後にﾌｧﾝのみんな､この1年間最後まで応援してくれて本当にありがとう｡
そして来年もﾎﾞｸたちと一緒に追いかけてほしい｡今年果たせなかった最後の夢｡
ﾆｯﾎﾟﾝｲﾁという名の､世界一大きな夢を｡
(阪神ﾀｲｶﾞｰｽ投手)
(´;ω;`)
ここまで言われたら、もう一生阪神は面倒見てあげなよ！って思ってたら、阪神史上、外国人としては初めての複数年契約を結びます。(２年だけどｗ)
そして今、中継ぎ陣がつけているミサンガはジェフの自作らしいです。
ここまで素晴らしい助っ人は近年記憶にありません。
成績という面でもそうですが、日本を、そして何よりも阪神を愛してくれたこの男を。ポジションなんか関係なしに私はこう思っていました。
バースの再来。
と。
しかし今は、バースでくくるのも何か違う。
そんな気持ちです。
てワケで、これで行きましょう。
打はバース、投はウィリアムス。
