チリ戦

まず岡田ジャパンについて。

狭い所でも少ないタッチでパスをつなぎ崩す攻撃サッカー。
このフレーズを聞いた時にまず思い起こされたのはコンフェデブラジル戦です。
開始間際に見せた加地さんの幻ゴール。

あれがあったからこそ私は今日サッカーを良く見ていると言っても、過言ではありません。

それくらい、あの展開は神でした。
中澤から、中田、柳沢、俊輔、柳沢、小笠原、とワンタッチで繋ぎ、裏から抜けてきた加地さんにスルーパス

まさに奇襲。ブラジルを本気モードにしたと言っても良いでしょう。


あれを見せてくれるならば期待できる反面、あの面子だからできたのではないか、という不安がありました。

なんだかんだ言って黄金世代、足元の技術はやはり日本歴代でもトップクラスでしたので。



さて、まずスタメン。

内田の起用は岡田監督ならあり得る話でした。市川の時のように。

ですのでさほど驚きはありませんでした。さすがにタイ戦で使ったら驚きますが。

とりあえず前にも書いたかと思いますが、南アフリカの右サイドは内田です。
仮に加地さんだったら、日本は4バックを諦めるべきです。

まぁカフーロベカルみたいな例もありますが、「サイドバック」というポジションがやっと定着した日本では、第一人者(異論はありませんよね?相馬、市川がどのような選手だったかを思い出して下さい。)である加地さんの後に続ける選手がいないということは、絶対的かつ絶望的な人材難です。


駒野は元々一列前の選手(三都主と同じと考えて下さい)なので、内田は今後「サイドバック」として日本を背負ってもらわなけれはならないと私は考えています。

前置きが長くなりました。
内田が出るならどうやって叩いてやろうかと見ていましたが、カナダの時にできていたことさえできていません。


前半10分の13番の選手(オーセジュール?)に突破された場面。ボールに気を取られてしまい、それを見た13番の選手はすかさず前へ。
「足には自信があるので多少遅れても大丈夫」なのはJまでです。世界には50m5秒台はごろごろいます。
あわやという場面を作ってしまいました。


続いて前半35分。オーバーラップは良いタイミングでしたが、中村憲と少し被ってしまった場面。
ここで考えられる選択肢は3つ。ボールは憲剛に任せ、自分はサイドに流れてスペースをつくるか、憲剛を囮に使って中へ切れ込むか、そのままアーリー気味に上げるか。

うっちーは結局そのままあげましたが、ニアに引っ掛かり、ファーにいたフリーの選手二人が手を挙げてアピール。

これはまぁ今後、連携面を深めていく中でのことなのかも知れませんが、カナダの時は田中アトムとの関係でできていたことなので、A代表に慣れるにはやはりまだ時間がかかるのかも知れません。


そして前半41分。中澤がオーバーラップしていた後(あの笑ってしまった左足のクロスの後かな?)のカウンター。またもや13番の選手と1対1。
ここは絶対に抜かれてはならない場面です。なぜなら相手はスリートップ気味に来ていた上、中澤が上がっており、中には高さが足りません。
ファールで止めるか、遅らせるか、最低でも縦を切るべき場面。外に出しても良いのです。
あそこを突破され、クロスを上げられてしまったのはNG。




今日は全体的に高い位置どりをしていたため(間接フリーキックより前の位置にいたり)裏のスペースを使われていたこともありますが、これは監督の指示である可能性があるのでなんとも言えません。
まぁそれが監督の指示なら岡田監督は何考えてるんだかわからなくなるんですが。

また、せっかく良いタイミングで上がってきても13番の選手を振りきれてなかったり、パスコースが無いのにボールを欲しがったり、まだまだな所もありました。
ですが裏を返せばこれだけです。後は無難にこなせていたのではないでしょうか。


ただ、初陣と言ってもカナダで世界を経験した選手で、Jでも2年はスタメンでやっている選手です。
そんなに甘くしても仕方ないでしょう。もっとできるはずです。
ですので加地さん亡き後はうっちーの成長を見守るブログになります、きっと(笑)



ではチーム全体。
前半9分、遠藤、高原のダイレクトでのパス交換から巻への形。
前半18分。高原のスルーで巻にボールが入り、ファールを得た場面。

良い展開だったと思います。程よい距離を保ち、ダイレクトでつなぐ。(欲を言えばうっちーのオーバーラップが欲しかったんだけど。巻もちらっと見てたし。)

ですがこれだけです。

チリ代表はキャップ数23が一番のキャリア。(16番イトゥーラ?)24才以下で組まれた代表です。
言わば三軍。しかも交代無し。

合宿をしていたようですが、それは日本も同じ。対等な条件です。


だから相手が凄かったという訳ではないでしょう。その相手にああいう試合しか出来なかったというのは、少し焦った方が良いと思います。

少なくとも大久保が決定機を外してコーチが笑ってられる状況では無いです。


個人的に気になった選手。
まず大久保。本当に良い所にいて良い動きをします。が、決められない。一昨年までの大久保に戻ってしまいました。
エジプト戦はなんだったんだ。
今日のあのチャンスで四点決めろとは言いませんが、せめて二点は決めてくれ。

阿部・中澤はさすがに選手をよく見てます。あまり文句無いです。


後半16分、川口のパントキック
昔大学の友人から、最近のサッカーはキーパーのキックも大事なんだという話を聞いていましたが、それを思い出しました。
早いタイミングの速いキックから前を走る羽生へ。
惜しくも合いませんでしたが、もし上手く抜けていれば決定的でした。
ミスもありましたが、やはり総合的に川口の右にでるキーパーがいない日本。
ひょっとしたらキーパーはサイドよりやばいかも知れません。


おまちかね加地さん。散髪して軽くダンディに。
後半26分のオーバーラップ。常にうっちーに付いていた13番を軽〜く置いて前へ上がります。
直後の27分には置いていけなくても振り切ってフリーになり、パスを受けられる体勢を整える。
相手が消耗していたことや、交代で入って元気があったことを差し引いても、このあたりの駆け引きはさすがです。


スタジアムで見ると本当に細かくこの人は動いています。
うっちーにはそこらへんを盗んでほしいですね。


他にも33分で見せた相手(13番)を遅らせる守備。
35分、山瀬が持つとすぐ上がってフリーランニングの場面。

こういった攻守の切り替えのタイミングや、対面との駆け引きはもはや「ベテラン」です。



とりあえず水曜のボスニア戦、見に行きますので、(おそらくうっちースタメンだろうし、)また右サイドバックについては書きます。

あと、オシムの考察もそのうち、きっと…。


とりあえず、まだ初陣なので今後、どうなっていくかによりますね。
生暖かく見守るつもりです。

長々とどうもでした。