オシムってなんだったんだ?

さて、ボスニア戦は明日ですが、その前に確認の意味も込めて。


まず一つ言えるのは、へたしたら日本人より日本を愛し、「日本人」を知っていること。

そこらへんは著書である「日本人よ!」を20ページも読んでいただければわかるでしょう。


彼は日本人の特徴を正確に捉え、自らのサッカーと上手く融合させ、その結果千葉をナビスコで優勝させるなどそれなりの結果を残しました。
また、旧ユーゴ代表を率いた経験を持つなど、近年の日本代表監督の中では抜きん出たキャリアを持ちます。
(そもそも代表どころか、クラブでも指揮したことのない代表監督って…)


コンセプトである「考えて走るサッカー」
千葉時代はよくわかりませんが、代表ではポゼッションを高め、フリーランニングを主とした「走る質」を上げて、相手を崩して得点するというサッカーだったと思います。

また、それと同時に選手に対して「臨機応変」に対応する能力も求めました。


これ、かなり理にかなっているのではないでしょうか?


自らの著書でオシムも言ってましたが、サッカーは相手があるものです。
ですからどんなに守備的に守っても、それを上回る攻撃をされれば防ぎきれない。
カウンターも、対策が取られてしまえばおしまいです。(っていうか、日本人だけでカウンターができるチームってありますかね?Jの中でも)


しかし、ポゼッションを高めれば、危険な位置でボールを奪われる(オシムは凄く嫌ってましたね)ことがない限りは、失点のリスクを抑えることができます。

それに攻撃のチャンスも選択肢も産まれます。


チーム作りも見事な手法でした。
合宿に使われる時間・期間がこれまでの監督と比べかなり少ない中で、それでも自らの色を出してきたのはさすがです。


まずディフェンス陣は何か無い限り固定。
駒野、阿部、闘莉王、加地、川口、鈴木啓。途中から中澤も入りました。


ポゼッションを高めるということは必然的に自らの陣内でボールを回すことが多くなります。
すると当然求められるのは守備陣が組み立てていく能力。

ですから、ディフェンス陣にも足元の技術を求め、また、中盤より前に運ぶためにはどうするかを羽生、山岸といった選手を用いることによって示したのでしょう。


アジアカップはその意味で通過点でした。

ボールを自陣から中盤、そして高い位置まで(時にはバックパスやサイドチェンジを交え)危なげなく運ぶ。

引いてくる相手だろうと前に出てくる相手だろうとプレスをかけてくる相手だろうと。


これって結構すごいことだと思います。


オシムジャパンはコロンビアとガーナ(?)を除けば、全ての試合で相手よりボール保持率が高かったようです。


先輩が良く指摘されることなんですが、日本は南米系の国に弱く、欧州系の国にはそこそこやれる傾向があります。


でもワールドカップで勝つためにはそうは言ってられません。


だからこそ、「自分たちのサッカー」という色があり、またそれを、相手がどのような国だろうとできたというのは素直に称賛すべきでしょう(ま、あんま南米とやってないんですが)


さて、話が逸れました。

アジアカップである程度組み立てられるようになったこと、また、ワールドカップ予選が近づいてきたことを受け、オシムはフィニッシュの所をどうするかを考え始めます。


大久保、松井といった選手を試すなどあれこれ模索し始めます。
欧州遠征ではオーストリア戦こそ実を結びませんでしたが、スイス戦、また最後の試合となったエジプト戦ではそれなりに出来上がってきていたと思います。


それをさらに深め、いざ予選というところで脳腫瘍。


…おぉ、もぅ…(´;ω;`)

そんな理由でもし仮にチリと戦い、ある程度結果が残せていたら、私は生涯オシム信者(←笑)でしたが、それも叶わぬ夢となってしまいました。


とりあえずざっとまとめるとこんなところでしょうか??


さてはて、岡田監督はどんなチームを作るんでしょうねぇ…。