オランダ戦

前試合から大きくメンバーを入れ換えて挑んだこの試合。開始直後に先制されるも、齋藤の個人技ですぐさま同点。日本は後半開始直後に1点を勝ち越すも、左サイドを崩されすぐさま同点。一進一退の試合展開も、混線から最後に扇原が決めて勝ちきり、決勝T進出の可能性を残した。
最もオランダはU―20だか21だかの1世代下で構成されていたらしいという点はある。例えば齋藤の得点シーンでなぜか相手のCBが最後諦めて流していたり、相手のマークの受け渡しがルーズだったりした分は割り引く必要があろう。
しかし、齋藤は自分で仕掛けたという点は評価に値するし、テストマッチで相手の強さにどうこう言っても仕方ない。若い代表がアピールのために力を尽くし、結果も出た。正直トルコ戦のメンバーよりも、必死さは伝わってきた。好ゲームだったと思う。
チームに勢いをもたらすという意味でも、この試合で出た中から数人はメンバーに入るだろう。
では採点。

5.5:安藤駿介
トルコ戦に続き失点場面はノーチャンス。一本ゴール前で決定機を防いだが。
普段のJにはあまりないタイミングでシュートが飛んでくる場面が多く、良い経験にはなっただろう。
5.5大岩一貴
組み立てのミスは仕方ないが、相手に自サイド以外から来られた時の、自分の後ろの選手に対する対応が甘い。ウチの丹羽より甘い。
元々サイドバックの選手じゃない?のかな…。ストッパーみたいな守り。
運動量はあるも、上げきれなかったり打ちきれなかったりと、攻めきれない場面が多かった。3点目につながるクロスを上げた分、0.5上積み。
6.0鈴木大輔
山村とのアタック・カバーの関係は良好。上手く潰せていたし、インターセプトからチャンスを演出。
空中戦の勝率を更に高めれば、中澤になれる素質は十分にある。
5.5:山村和也
カバーリングは良かったし、ボランチ飛ばして2列目までの縦パスを何本か入れられていた。組み立ての担い手が扇原しかいなかった分、かなり効果的だった。
ただ守備の対応、特に1対1は改善の余地あり。ここがまだ中途半端なので、このままだとファーストチョイスは濱田になる。
鹿島でやってるのを見た時も思ったが、何でボランチで使われてたのか。山口智ボランチで使うようなもの。
5.0:比嘉祐介
対面の選手(ルコキ)がキーパーソンだったのか、裏を良く使われる。失点シーンは両方ともその形から。チンチンにされていた。
まぁ「たまたま比嘉の対面にルコキがいた」だけで、他の選手でもアレを止めるのはなかなか大変だが、それ以外にもマークの受け渡しや、コースの切り方等守備面で危なっかしいプレーを連発。そこが大きなマイナス点。
機を見て効果的に攻め上がれていた点は良かった。
5.5:村松大輔
ディフェンスラインの前のフィルターとして機能。ただディレイが多く、奪取力という点では山口に軍配か。
扇原を軸とすると、やはりクラッシュしてくれるタイプが欲しい。捌きが不安定な点も気になる。
6.5:扇原貴宏
中1日ということもあり、動きが重かった。そのため中盤でボールが落ち着かず、ゲームのテンポが速く、単調になってしまった。
…つっても中1日での試合。ゲームメイカーを他に連れてこなかった関塚が悪い(笑)
そんな中、決勝点は良くゴール前まで上がっていた。
6.5:宇佐美貴史
相変わらず相手を半分外せばシュートを打てる。そしてそのシュートは「決まる」シュートだ*1
その最大の長所は残しつつ、組み立てに顔を出したり守備に回ったりと、他のタスクもこなせていた。ハインケスは何をさせたかったんだろう。*2
ガンバキトクスグカエレ
7.5(MOM):齋藤学
圧巻のドリブルカットインからの1点目、2点目では宇佐美を1つ飛ばして高木を狙うパスで起点になり、比嘉がやられていたルコキのカバーに回った後で前線に顔を出す等、運動量も豊富。攻守に奮闘。
五輪確定。この選手連れて行かなかったら鞠サポと組んでデモを起こしてやる。
6.0:高木善朗
中盤あちこちに顔を出して受け手になり、高いキープ力を生かして起点になれていた。伊達にオランダにいない。これからの成長が楽しみだ。
ただボールを持った後、特にゴール前でのアイデアにもう一工夫欲しかった。現状では高木にしかないアクセントが薄い。最後のシーンも…時間かかっちゃったなぁ…。
6.0:指宿洋史
ゴールシーンは良く顔を出した。右サイドに自チームの選手が集まっているので、逆に張るというのはストライカーの動きとしてアリ。
しかしカウンター時はそれでもいいが、遅攻で今一つ効果的な動きができず。指宿にボールが入っても、そこから戻すしかない状況が多かった。フォローの選手は周りにいても、コースがないのである。そういったところのポジション取りを磨かないとこのチームでは厳しいか。現状では、少し違うタイプのポストをこなす大迫の方が機能しそうだ。
久々に出てきた大型CFなので、成長を期待したい。
6.25:大津祐樹
出場時間的に採点するのも微妙だが、扇原に最後出したのは大津なので。
〜出場時間短く採点不能
水沼宏太
豊富な2列目プラチナ世代に押され、今大会では存在感をいまいち発揮できていない。
東慶吾
今大会で一番危うくなったのが東だろう。選手と選手をつなぐ動きが持ち味の選手だが、清武が完全に上位互換な上、他の選手もある程度こなせてしまっている。
大迫勇也
私は指宿なら大迫だなぁ…。


ということで明日エジプト戦。是非勝って、良い経験を積んでもらいたい!

*1:何本打っても決まらない、とりあえず枠に打ちました的なシュートではなく

*2:リーグ、シュツット戦を見たが、完全に(右)サイド固定のクロスマシーンだった。この試合を見ればわかるが、柔軟にポジションを取ればかなり効果的な動きができるのは言うまでもない。宇佐美は案外チキン(シャイ)な面があるので、コミュニケーションが上手く取れてなかったのかもしれない。